この江戸料理再現企画は寛政元年(1789年)に成立した料理本『甘藷百珍(いもひゃくちん)』のレシピ123種類を無謀にも全て再現させる企画です。
全国のサツマイモ好きの皆さまへ捧げる全力おいもドキュメンタリー。
今回「いも百珍」より再現するのは「巻鮓いも(まきすしいも)」です。
そろそろ「この再現企画やべえ...」とざわめく人々が出てきそうな雰囲気。
作り方 現代訳
かなり大きないもを生のままむき、さっと湯で煮てから、くずして広げ、その上にご飯を6-7ミリほどの厚さでムラなく置きます。
蒸しいもをふるいで裏ごししたものに、紅藍染(べにぞめ)、青粉染(あおこそめ)、うこん染(うこんそめ)の三色をつけ、
適当な模様でご飯のうえに置きます。それを小口から巻いて布に包み、しっかりと固めてから、小口切りにします。
「巻鮓いも」一本つくるのに使用したサツマイモは100グラムの小さめのものを二本です。
最初にサツマイモをやわらかくなるまで茹でます。
茹であがったらサツマイモをほぐします。
半分はご飯の下に敷く分。残りの半分は色付けに使います。
「いも百珍」では「巻布(まききれ)」を使用していますが、竹の簀(す)を代用しました。
竹の簀(す)にサツマイモを敷き、その上にご飯をのせます。
卵とごはんみたい。
サツマイモの角切りを混ぜ込んだサツマイモごはんとは、また別物の何かができようとしています。
「いも百珍」では紅藍染(べにぞめ)、青粉染(あおこそめ)、うこん染(うこんそめ)のサツマイモを使用しているのですが赤色は人参パウダーにしました。
青粉は乾燥三つ葉を使ってみました。二色の色付いもを使います。
適当な模様で色付いもをご飯の上にのせていきます。
はい、こんな感じ。
ここからが大変だったのですが、サツマイモに小麦粉などのつなぎを入れていないので、巻き簀を巻くとサツマイモが両サイドからボロボロ落ちてくる...
ぎゅっと巻いて数分このまま放置します。
巻き簀を広げて巻けているか確認したら、さあ大変。
サツマイモがボロボロボロボロ。
かなり短くなりましたが「巻鮓いも(まきすしいも)」の完成。
両サイドのサツマイモとご飯は雪崩のように崩れました(笑)
ポロポロ崩れるので慎重に、慎重に包丁で切ります。
肝心の味ですが、食感はご飯なのに、味はサツマイモというなんだか不思議な風味と食感でした。
サツマイモを切って炊いたサツマイモご飯とは別物。
例えるなら、おはぎの餡子をサツマイモで代用したようなかんじ。
なんとも不思議なサツマイモ料理でした(笑)