Diary 雑記

3年前まで浮世絵はぜんぶ手で描いてると思ってたし国貞を知らなかったはなし

ともだちが撮ってくれてなんか好きな写真なのでアイキャッチ画像にしました。

いつも大変お世話になっております。

春画―ルと申します。

インスタグラムとツイッターのフォロアーが両方とも一万人超えたので、

このタイミングで改めて「春画―ルって何者?」

という方々のために、日々行っている活動等について綴らせていただいちゃいます!

活動のキッカケは?

天保八年 歌川国芳《花結色陰吉(はなむすびいろのほどよし)》国際日本文化研究センター

活動の最初の、最初の理由は自分の手の届く範囲以外での繋がりが欲しい、というものだった。

職場と家の往復、学校で知り合った友人たち。でも何故か根底にある違和感。

「結局わたしの好きなものを心から共有できる人には出会えない」

オンラインサロンにも一時期入会したのだが、なんか、なんか自分の中に「無理をして相手に合わせている自分」がいて

結局興味がないイベントに行ったり、なんとなく増えていくフェイスブックの「ともだち」に違和感があって結局更新も閲覧もほぼしなくなった。

何か自分から発信したいなあ、とぼんやり思っていて何故か『春画』が思いついたのですよね。

「あ、わたし春画見るの好きだったよな」って。

わたしが高校生の頃、なぜか「葛飾北斎の《海女と蛸》の詞書の内容がやばい」という内容のネット記事が流行ってて。

それがわたしと春画の最初の出会い。それから時々思い出した時に「春画」で画像検索して楽しむ程度だった。

しかし当時の恋人に「これ面白いから見て!」と春画の画像を見せても「そんな古くせえ絵見て何が面白いの?」と一蹴された。

浮世絵って木版画もあるの?

渓斎英泉《水阿其美(みずあそび)》国際日本文化研究センター

「春画を発信しよう」と思ったのが3年前。だが、さあ大変。

浮世絵の「う」の字も知りません。春画の本がこの世に存在するかも知りません。

わたしは3年前まで浮世絵はぜんぶ手描きだと思っていたし、歌川国貞を知らなかった。

かすかな知人の情報を頼りに本屋へ行き、かたっぱしから本を購入し何冊か読み込んだ。

そこから得た情報を頼りにインスタグラムを始め、少しずつ勉強しながら発信を始めた。

当たり前だが最初はフォロワー0人からのスタート。

「わたしはココにいまーーす!」と広すぎる部屋でひとり叫んでいる気分になりながらも毎日毎日発信を続けた。

くずし字の勉強も始めた。浮世絵を読むことは、日本の文化風習などを知る長い長い旅である。

時にその文化や書物は他国からの文化であり、その情報を辿っていくこともある。

しかも困ったことに、世に出でいる解説が真実とは限らないのだ。

かなり初期に質問箱で「情報が間違いだらけだ、もっとちゃんと艶本の勉強してから発信してほしい」と言われたことがある。

腹は立ったが発信はやめなかった。

自分ひとりでは成長できなかった

月岡雪鼎 欠題組物 国際日本文化研究センター

毎日勉強をしながら発信を続けたおかげか、テレビに出演させてもらったり、美術関係者の方々や浮世絵研究者の方々を紹介していただくようになった。

今でもテレビの出演のお誘いはいただくのだが、私自身が有名になりたい訳ではなく「春画の面白さを知って欲しい」と思い活動をしているので

断片的にエロチックなものとして春画を使用したいことが分かる企画や、「エロを発信している女性にフォーカス」したいことがわかる企画はお断りさせていただいています。(でも有難うございます)

未熟で知らないことだらけの私にコレクターの方々や研究者の方々は惜しげもなく大変貴重な浮世絵を見せてくれたり触らせてくれた。

知りたいことを丁寧にたくさん教えてくれた。

今でも分からないことがあれば質問させてもらっている。

(先生方は何故あんなにも返信が早いのだろうと毎回思う)

だから私もたくさん「いただいた」分、それ以上に、世の中に返していこうと思った。

現在の活動

SNSでの発信

ツイッターでは主に江戸期の春画や日本の性文化について毎日ツイートしています。

わたし自身は浮世絵の美術的観点、たとえば初摺の作品か、着物の柄や描かれている植物は何か、どの役者の顔か等よりも

「どういう内容か」「当時の性知識を垣間見ることができるか」「どのような観念背景のものと、絵が描かれたか」に興味が強いのでそこらへんが気になる方は是非ツイッター覗いてみてください。

インスタグラム は海外の方にもわかりやすい春画を紹介しています。

基本的に各SNSの絵は被らないようにしているので数と量を見たい方は是非こちらもご覧ください。

ときどき「春画=むかしのセックスの絵→エロくない」という観点でしか見ていないかたがチラホラいます。

なので現代の性の描写がある絵と比較する方もいますが、その絵が生まれた目的や読者層などは現代とイコールではありません。

かと言って、わたしの発信の立ち位置は「春画は高尚だ!アートだ!」ではないと思っていますし、そのような主張はしません。

極めて動物的であり、そこに理性や当時の時代背景が混じることにより表現される春画は、今でも共感できる部分が多くあるし、現代とはまた異なる面白さや驚きもあります。

その他にも フェイスブック もしています。ここでご紹介する絵も基本的に他のSNSでは紹介していない絵を選んでいます。

コラムの連載

恋愛コラムAM で日本の性文化や江戸期の性具の再現企画をして執筆しています。

江戸期の文化と聞くと自分とは関係がないことと思いがちですが、性は現代と地続きです。

「相手に喜んでもらう方法」た「キスの方法」など性典物に記録されている内容を読み解き、

改めて自分を取り巻く性について考える視野を広げたり、考えるキッカケにもなれば良いなと思いながら書いています。

春画グッズの企画販売

現在「SHUNGAYA」という名前でカードケースとアロマキャンドルを販売しています。

ミンネにて販売をはじめました。

美術館向けや一般的なアパレルで販売されている春画のグッズは性器のトリミングがされていたり、交わりがない絵が使用されています。

そこに物足りなさを感じ、自分で制作をはじめました。

カードケースはカストリ書房様でもお取り扱いをしていただいているので、是非そちらも宜しくお願い致します。

不定期でのイベント運営

不定期で春画の解説や江戸期の性典物で掲載されている性具を再現し触ってもらうイベントも開催しています。

参加者の方々は女性が多いです。

わたしのコレクションの春画の展示も行っています。

スライドで見るだけの浮世絵鑑賞って受け身になるだけなので退屈するかなと思い、体験型のイベントにしています。

今年もみなさんに告知したいことがたくさんあるので、楽しみにしていただけたら幸いです。

引き続きよろしくお願い致します。

春画―ル

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