春画ール

1990年、愛媛県生まれ。学生時代に見た、 葛飾北斎の「蛸と海女」で春画に目覚める。 市井の春画ウォッチャーの視線で、春画の魅力や楽しみ方を模索する。 2018年より「春画ール」の名で活動をスタートし、 「現代人が見る春画」をコンセプトに、国内外への発信を続けている。 恋愛メディア「AM」にて『令和奇聞』連載中。 新潮社PR誌「波」にて『春画の穴』連載中。 著書に『春画にハマりまして。』(CCCメディアハウス) 『江戸の女性たちはどうしてましたか?ー春画と性典物からジェンダー史をゆるゆる読み解く』 24/7 I'm into shunga art. I will spread the charms of Japanese shunga art both locally and globally. My favorite painter is Eisen Keisai. My favorite work is "Sodenomaki"painted by KiyonagaTorii

Diary おでかけ

女人禁制だった高野山の女人道を歩く ~はじめての孤独の雪山~

いくつもの高野山の禁忌 紀伊国(和歌山県)の伊都郡の東南部、大和国(奈良県)の境に位置する標高約1,000m級の峰々に囲まれた山上盆地に広がる高野山。弘仁七(816)年に弘法大師は嵯峨天皇に修禅の地を賜わることを願い、高野山をいただいたという。 弘法大師はその翌年に高野山全体と中央壇上に対する結界を行なっている。 かつて、この山は女人禁制だった。 高野山の女人禁制の解禁は明治五(1872)年である。 2024年12月末、会社の最終営業日まで残業し、ほぼ寝ていない状態で東京から新幹線に乗った。新大阪駅からな ...

Diary おでかけ

行ってよかった!佐渡の野呂間人形は生で見ないとわからない良さがある

佐渡の「のろま人形」が観たかった 佐渡の「のろま人形」の存在を知ってから、ずっと生で観劇したいと思って、はや数年。 のろま人形の起源は寛文•延宝(1661-1681)年間に江戸の野呂松 勘兵衛という人形遣いが道化人形をつかったことが始まりとされ、「のろま」は人形遣いの「野呂松」の略とも言われています。 古くは浄瑠璃芝居の合間の芝居として演じられ、品のある浄瑠璃の間に「わらい」を挟むことで見物を喜ばせたと言われています。現在は重要無形民俗文化財に指定されています。 昭和40(1965)年7月号の『民藝』(日 ...

News/Event

2023年6月15日に新刊がでました

2023年6月15日に新潮社より『春画の穴』を上梓することになりました。 この書籍は新潮社のPR誌『波』の連載を単行本化したものです。 連載はすべてモノクロで画像を掲載していたのですが、刊行にあたりカラーで大きめの画像を掲載したので、 より江戸の性の世界に入り込みやすくなっています。   気になっていた江戸期の身体や性の表現 2018年頃から春画の活動をゼロからスタートし、くずし字の勉強をするようになり、 研究者の本ではなく、大学のベータベースから春本を直接読むようになりました。 そのなかで興味が湧いたの ...

Diary 雑記

寛政十二年の 10歳・かよ の姦淫事件

お久しぶりです、春画ールです。今回は春画と全く関係がない江戸期の姦淫事件について記録しておきます。 今回取り上げる事件は『旧幕府引継書目録 第1輯』(文生書院)の89頁「主人之女房娘と密通之類」の項に記載のある「下目黒町喜八主人之娘幼女かよと密通いたし同人相果候一件(町奉行伺、寛政十二年渡)」です。 大まかに事件を伝えると、吉兵衛の娘・かよ が、父の召使である19歳の喜八に姦淫の末に殺害された事件です。裁きの末、幼女への姦淫は遠島が元例であるものの、喜八の罪はさらに重いとみなされ、引廻しの上、獄門と判決が ...

Diary 雑記

オンナのアソコが見たいという衝動と見世物

  江戸期には性的な様々な見世物興行が行われていました。 しかしながらその記録を資料より辿ろうとすると、思いのほか纏まった情報が少なく、 様々な書籍などの媒体から探し、細々と記録をかき集めるほかありませんでした。 この記事では江戸~明治期の性の見世物興行に焦点当ててきます。 各地で行われた「やれ吹けそれ吹け」とは? 絵師不詳『花いかだ』立命館アートリサーチセンター アイキャッチ画像同じく三味線の囃子とともに披露する見世物 性的な見世物として広く知られているものに「やれ吹けそれ吹け」という見世物があります。 ...

News/Event

2021年12月に書籍が発売しました

この度、新刊『江戸の女性たちは どうしてましたか?ー春画と性典物からジェンダー史をゆるゆる読み解く』を晶文社より出版することとなりました。 性の捉え方が変化しつつあるこの時代、かつての日本の文化風習をどのように受け止め、考えればよいのだろう。 春画や江戸期の書物をジェンダーで読み替えながら、ときに笑い!ときに批評しながら!私たちの性を「今」考える一冊ができました。 現代で度々、女性の性表現が話題にあがり、その度に江戸期の春画が比較されます。 「江戸期に女性の乳房はエロの題材にはならなかった」 そしてある人 ...

Diary 春画アレコレ

江戸期の書物から読むお互いの心を満たすセックス体位

  様々な体位が説明されている『古今枕大全』 今回は性典物よりセックスの体位をご紹介します。 ご紹介する本は『古今枕大全(ここんまくらたいぜん)』というハウツー本。 絵師は鈴木春信説が散見されますが、小松屋百亀と考えられています。 明和期(1764~72年)に出版されたと考えられる、恋愛のタイプ、性体験記、恋愛結婚の必勝法などが書かれた性典物です。 この書物には「女は長崎までイきたかったのに、播磨安芸あたりまでしかイけない」という男女のセックスでの気持ちのすれ違いについても書かれており、書籍やツイッターで ...

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2021年3月31日に書籍発売

2021年3月31日に株式会社CCCメディアハウス様より書籍を出すことが決まりました。 タイトルは『春画にハマりまして。』 3年前に、いきなり春画にハマったわたしが今まで得てきた楽しみ方や、皆さまに発信したいことをギュウウと詰め込んだエッセイです。 2018年から春画の発信を初めて、このように本という形になり、皆さまに恩返しをすることができました。 春画の勉強を始めた頃は、研究者の方々のご本を読んで楽しんでいました。 しかし楽しむほどに段々とホンモノの春画が欲しくなり、くずし字を読めるようになると、それま ...

Diary いも百珍

江戸料理再現企画・12品目 奇品「切鮓いも(きりすしいも)」とドキュメンタリー無期休止のおしらせ笑

この江戸料理再現企画は寛政元年(1789年)に成立した料理本『甘藷百珍(いもひゃくちん)』のレシピ123種類を無謀にも全て再現させる企画です。 全国のサツマイモ好きの皆さまへ捧げる全力おいもドキュメンタリー。 どうも、春画-ルです。 今回の料理は「切鮓いも(きりすしいも)」。 前回の「巻鮓いも(まきすしいも)」と似ているというか、 レシピの品数稼ぎでは.... 巻くか切るかの違いでは.... と内心ザワザワしながら作ることにしました。 作り方 現代訳 生いもを方形に切り、それを縦に5ミリほどの厚さに削って ...

Diary いも百珍

江戸料理再現企画・9品目 奇品「結いも(むすびいも)」

アイキャッチ画像から「ん?」と思われた方もいるかもしれないのですが、 最初にお伝えします。 「結いも(むすびいも)」 出来ませんでした!! いや、いや頑張れよ自分!と思ったのですが、まあ作り方見てくださいよ。 右から2番目が「結いも」の作り方 作り方 現代訳 生いもを渦巻き状にむき、巻き戻した状態で、細く小口切りにします。 薄醤油を煮だたせておき、その中に切ったいもを入れ、 さっと煮あげて図のように結びます。 手早くしないといもが切れます。 生のサツマイモを煮てから上のようにサツマイモを結ぶんですよ。 こ ...

Diary いも百珍

江戸料理再現企画・11品目 奇品 「巻鮓いも(まきすしいも)」

この江戸料理再現企画は寛政元年(1789年)に成立した料理本『甘藷百珍(いもひゃくちん)』のレシピ123種類を無謀にも全て再現させる企画です。 全国のサツマイモ好きの皆さまへ捧げる全力おいもドキュメンタリー。 今回「いも百珍」より再現するのは「巻鮓いも(まきすしいも)」です。 そろそろ「この再現企画やべえ...」とざわめく人々が出てきそうな雰囲気。 いちばん左が「巻鮓いも」のレシピ 作り方 現代訳 かなり大きないもを生のままむき、さっと湯で煮てから、くずして広げ、その上にご飯を6-7ミリほどの厚さでムラな ...

Diary いも百珍

江戸料理再現企画・8品目 奇品「苞苴いも(つといも)」

メモ 苞苴(つと) ①わらなどを束ね、中に食品などを入れて包みとしたもの。わらづと。 「納豆の-」 ②土地の産物。また、贈り物として携えてゆく、みやげもの。   最初に言っておきます。 やばかった。美味しくなかった。 サツマイモをすりおろしたのがダメだったのか、そもそもサツマイモが美味しくないものだったかは不明だが生臭くて食感もひどかった(笑) いちばん右が「つといも」の説明 材料とつくりかた   サツマイモ 竹の簀(す)で巻けるくらいの量  小麦粉 大さじ一杯 〈作り方現代訳〉 生のいもをおろし、うどん ...

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