以前に国際日本文化研究センター名誉教授の早川聞多先生にくずし字の学習方法を伺ったときに、
先生ご本人が当時に使用していた練習帳を見せてくださった。
そのとき使用していた練習帳が手作りの和装本だった。
それ以来、ちょっと良い文具店等で和装本の様をしたノート等を見るたびに「わたしもいつか作りたいな」と思っていた。
和装本ってなに?
日本の伝統的な製本によって製作された書籍のこと。
大きさや綴じ方(とじかた)で種類は様々。
代表的なものをいくつかご紹介すると、
木版技術が発達すると庶民にも本は普及し、貸本屋から本を借りる人もおおくなった。
念願の和装本ワークショップへ
「和装本つくってみたいんだよねえ」
自分のやってみたいことは口に出してみるものです。「すみだ北斎美術館で今度ワークショップやるよ!」と教えてもらい、福藤商店を運営している友人と参加してきた。
なんとこのワークショップ、入館料を支払えば参加無料なのだ。そのため人気であり先着順。すみだ北斎美術館では定期的にイベントを行っているので気になるものがあれば、早めに予約したほうがいい。
イベントがはじまると書誌について説明があり、ひとりひとりに材料が配られていた。表紙になる紙は様々な柄が用意されており、自由に選べた。
キリで穴を開け、こよりで中のページを留める。そして最大の難関である四ツ目綴じを行っていく。何色ものきれいな色の糸からひとつ選び、縫っていく。
この縫い方の順番が難しい。四つ開けた穴の右から2番目からスタートし、左へ進んでいく。
この角がポイント。角を糸でぐるっと縛ることで角の紙が乱れない。
私「先人の知恵はすごいな、日本がわたしの知能指数だったらこの本生まれなかったわ」
知人「( ^ω^)・・・」
なんて言いながら縫い縫い。一日何冊の本が製作できたのだろうか。わたしは一冊でヒイヒイ言っていた。
そしてついに、ラストに縫った糸の間に針を通し、終了!
んで私の頭の中にはサライが流れる。あと少しで完成するのだ!
完成したときにはイベントでは一体感がうまれ、講師の司書様へ拍手が起きた。ものづくりってやってみないと苦労がわからない!
本と言えばどうしても木版を行う絵師、彫師、摺師がフォーカスされがちだ。
しかし、これを機に製本についても学んでいきたいと感じた。
本の形態は時代により変化し、日本のものづくりの発展は私たちが知らない技術で進化しているのだろう。
電子書籍が普及しても紙をめくる感覚を大切にしたい。もちろん美術館でも和本の展示があればその本の大きさや紙の使い方を気にかければ鑑賞もより楽しめるだろう。
すみだ北斎美術館 開館時間
9:30~17:30(入館は閉館の30分前まで)
休館日
上記以外にも臨時休館する場合がございます。
所在地
TEL:03-6658-8936(9:30-17:30)
- ・都営地下鉄大江戸線「両国駅」出口より徒歩5分
- ・JR総武線「両国駅」東口より徒歩9分
- ・都営バス・墨田区内循環バス「都営両国駅前」より徒歩5分
- ・墨田区内循環バス「すみだ北斎美術館前(津軽家上屋敷跡)
停留所」からすぐ