江戸期の「乙女と両想いになる方法」がサイコパスすぎる
江戸期には様々な性典物(性のハウツー本)が存在する。 例えば「吸茎(フェラチオ)の方法」「相嘗め(シックスナイン)の方法」「口吸い(キス)の方法」などテクニック系に始まり、「股の傷薬」や「即席のディルドの作り方」などのレシピまで様々である。 《吾妻文庫(あづまぶんこ)》歌川国芳 1838年 江戸期の性の認識として「交わりはおめでたいもの」「陰陽和合は万物を創造する大切なもの」という価値観が存在したため、春画では夫婦やカップルが幸せそうに抱き合う場面が見受けられる。 性典物の内容でも「布団に入っていきなり相 ...
オンナの性欲が「わらい」になるとき
なぜこの状況が「わらい」というものに変換されて絵に表現されるのか。 ただただ、不思議だったのだ。 鎌倉時代から江戸時代の多くの性に関する文献を見ていると、様々な表現はある時突如として登場したというよりも、歴史や生物的な事柄の積み重ねであることはよくわかる。 性の営み(つまり”生きること”)を描いた春画は「わらい」と密接であり、即物的な興奮を促すだけではなく、教訓めいたものやその当時の流行までも描く。 その表現の中のひとつに「女性の果てることのない性欲と、それに懲りる男性」というパターンがある。 男性が女性 ...
江戸料理再現企画・2品目 奇品「玳琩環いも(ちくわかまぼこいも)」
この江戸料理再現企画は寛政元年(1789年)に成立した料理本『甘藷百珍(いもひゃくちん)』のレシピ123種類を無謀にも全て再現させる企画です。 全国のサツマイモ好きの皆さまへ捧げる全力おいもドキュメンタリー。 今回「いも百珍」から再現する2品目は奇品 玳琩環いも(ちくわかまぼこいも)」です。 前回の「肉蒲いも(かまぼこいも)」 につづいて今回は「玳琩環いも(ちくわかまぼこいも)」です。 「かまぼこの次は、ちくわww」と思ったのですが、前回の「肉蒲いも(かまぼこいも)」の生地が余りすぎていてその日に同じ材 ...
全国のさつま芋ラバーに捧げる「いも百珍(ひゃくちん)」
さあ、はじまりました新企画「全国のさつま芋ラバーに捧げる『いも百珍(ひゃくちん)』! 江戸期には数えきれないほどの料理の専門書が出版されており、現代のわたしたちが見ても作ってみたくなるレシピがたくさん掲載されています。 近年、江戸料理の人気が高まり大手レシピサイトで江戸料理のレシピが掲載されたり「古典に親しんでもらいたい」という想いから人文学オープンデータ共同利用センターにて『万宝料理秘密箱 卵百珍』から再現した見た目もかわいい卵料理のレシピがたくさん掲載されています。 「わたしも江戸期の料理を再現したい ...
200年前の遠距離恋愛辛すぎだろ。
みなさん遠距離恋愛を経験したことありますか? またこの記事を読んでくれている方の中に、現在進行形で遠距離恋愛をしている方はいますか? 江戸時代にも遠距離恋愛は存在したのか? わたしは存在したと考えています。 なかなか連絡が取れなくて、会えるのは年に数日間という恋人たちがいたのです。 それは奥女中と、その恋人です。 わたしはこれを江戸時代の遠距離恋愛と感じ、この恋人たちの宿下りの春画を「遠距離恋愛春画」と呼び鑑賞していました。 あらかじめ伝えますが、奥女中とその恋人を遠距離恋愛中のカップルととらえ、 その春 ...
ピカソとおそろいの春画が家に来た
春画とは「性のいとなみを描いた風俗画」です。 春画はわたしの生きるうえでの喜びや活力であり、癒しなのです。 ひとりで家でお酒を飲みながら(ほとんど飲めないけど。)コレクションの春画に風を通しているときは至福の時間です。 春画を愛していた著名人はかなり多いのですが、画家のパブロ・ピカソも春画を愛したひとりです。 彼の描いた絵には、春画からインスパイアされたような男女が交わる絵や、蛸と女の絵もあります。 身体のリアルな骨格をよりも、魅せたい部分を大胆に表現する日本の春画の表現は、キュビズムの創始に影響を与えた ...
まるでルーペで見ているリアリティ。アイメジャー社のスキャナで自分のコレクションをアーカイブに
版画はじめ、個人での美術品の撮影は難しい。 撮影すると作品が光で反射したり、せっかくの作家の技巧が映らなかったりもする。 特に浮世絵は光により退色したり、きめ出しや雲母摺りなどを施していることがあるのであまり表面に物体を接触させたくない。 そのうえ自宅のスキャナやスマホでは高解像度のデータ化は難しく、一眼レフでは自分で長時間露光での撮影をするとなるとカメラを購入するところからのスタートだし、 カメラでの撮影としても何処で依頼をすれば満足のいくデータにしてもらえるのかもわからなかった。 まるで本物をルーペで ...
3年前まで浮世絵はぜんぶ手で描いてると思ってたし国貞を知らなかったはなし
ともだちが撮ってくれてなんか好きな写真なのでアイキャッチ画像にしました。 いつも大変お世話になっております。 春画―ルと申します。 インスタグラムとツイッターのフォロアーが両方とも一万人超えたので、 このタイミングで改めて「春画―ルって何者?」 という方々のために、日々行っている活動等について綴らせていただいちゃいます! 活動のキッカケは? 天保八年 歌川国芳《花結色陰吉(はなむすびいろのほどよし)》国際日本文化研究センター 活動の最初の、最初の理由は自分の手の届く範囲以外での繋がりが欲しい、というものだ ...